ジャズ・キチが初めてLED ZEPPELINを聴いたら

父親が大のジャズ・ファンであるが故に、幼い頃からジャズに親しみ、ジャズ・キチとして成長したという人が私の世代にはかなり多い。この小さなド田舎でけっこういるのだから、東京には相当数の人がいたものだ。

ただ、そういう人も団塊ジュニア世代まで。

それで、そういうジャズ・キチが初めてLED ZEPPELINをまじめに聴いた時には、もうお約束と言っていい法則性があった。

 

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私の神さんは団塊ジュニア世代なのだが、彼女の父親はジャズ・キチ。そうしたことから神さんは、物心がついた頃には父親の

 

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クリプッシュのベレ・クリプッシュ

 

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マッキントッシュのMC60、マーク・レヴィンソンのLNP-2

 

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トーレンスのTD124、CDが出てからはスチューダーA730

で、ジャズとクラシックを聴き、それで育った。

尚、神さんが15歳の時に父親はスピーカーを

 

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ジェンセンのインペリアルに換えた。神さんは、凄まじい布陣でジャズ、クラシックを聴いて育った。

また神さんは、ジャズ・ピアニストになりたいことからジャズとジャズ・ピアノに没入し、育った訳だが、ロックをまともに聴いたこともなく(こういう人には、ロックなど下手くそ連中がやる音楽だと思われる)、アイドル系にも興味を示さず、硬派な青春を過ごした。

 

それで神さんは私と所帯をもった時には妊婦であったことから、私たちは胎教の為にクラシックばかりを聴いていた。

 

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JBLの4312XPで。一気に格下に下がったが、神さんは薄給の私に文句一つ言わなかった。

そして、晴れて娘が産まれて、暫くして生活が落ち着いてから、私は伝家の宝刀、『LED ZEPPELIN Ⅰ』をかけた。音が出る前に、神さんは(え? ロックですか?)という表情をしたが、私は気にしなかった。

それから「Good Times Bad Times」が4312XPから飛び出したのだが、直ぐに神さんはどんぐり眼(笑)。神さんは「Good Times Bad Times」が終わるや否や、プレーヤーのトーン・アームを上げて

「これは何ですか? ロックなんでしょうけれども、ただのロックじゃないです! ロック、ブルース、ジャズ、ソウル、ファンクが融合されています!」

と言った。さすが神さんは「Good Times Bad Times」のみでLED ZEPPELINの本質をとらえた。

私は微笑んでいた。

神さんは再度、レコードの冒頭に針を落とし「Good Times Bad Times」から熱心に聴き始めた。

そして、めでたく大のZEPファンになった神さん。「Kashimir」や「Achilles Last Stand 」を初めて聴いた時の神さんの目と表情を私は今もよく覚えている。『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』を聴いた時の、戸惑いの表情も(笑)。

加えて神さんは、楽器隊3人について「とんでもない演奏能力」と言うしロバートのボーカルも凄いと言う。

『CODA』まで聴いた神さんに私は、「ジミー・ペイジのギター・プレイをどう思う?」、と訊いた。彼女は暫し思案顔をしてから

「『聖なる館』から粗くなりましたけれども、そんなことは問題ないと思います。『永遠の詩』での「幻惑されて」は確かに荒削りですけれども、例えば、ジョー・パスとは全然異なったプレイをしていますよね。天才ですよ、天才! ジミー・ペイジは!」

と言い、私は微笑ましく思った。

 

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それから神さんの父親にもLED ZEPPELINを聴いてもらったら、同様な反応を示した。

 

神さんの反応においても、義父の反応においても、私は(やはりなぁ・・・・・)となった。

私は高校1年生の時にジャズ・キチの連中にZEPを聴かせた際に、その者たちの反応で経験済みだった。高校生の頃など、そうした連中はジミー・ペイジを神とし、またジェフ・ベックエリック・クラプトンジミ・ヘンドリックスを神とし、リッチー・ブラックモアエドワード・ヴァン・ヘイレンも、マイケル・シェンカーを筆頭とした80年代ハードロック・ギタリストを聴いても一切、関心を示すことがなかった。むしろ、

ジョン・マクラフリンパット・メセニーに比べたら、ただの下手くそ」

と本質を言ったものだ。

 

これは神さんもそう。ベック・ペイジ・クラプトン・ジミヘンを除けば、アドリブやインプロの幅が余りにも狭くて聴いていられない、と言う。レコード店(CDショップ)に行った際に、店内でB'zが流れていようものならば、神さんは店外に飛び出してしまう。「あんな、ただの騒音はイヤです」と(笑)。

 

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 (松本くん、君のギターはただの騒音だって)

 

ジャズという音楽は、アドリブとインプロの応酬で成立している音楽でフリーに創られている。

それ故に、ZEP、ベック、クラプトン、ジミヘンの曲が相当にフリーに創られていることが判る。

 

ただ、上記のような音楽ファンは、音楽ファンのなかで少数派であることが残念でならない。