2007年の早い時期であったと思う。私は、東京のオーディオ店で他の客がスピーカー選びをするのを見ていて、その客が試聴用に用いたCDを聴いて驚いた。
(アメリカで物凄い女性ジャズ・シンガーが現れたんだな)、そう思った。
ところが、そのCD、何と日本人女性ジャズ・シンガー兼ピアニストであるグレース・マーヤという人のものらしい。
私は、驚いて、CD、『ルック・オブ・ラブ』を買って帰り、家でCDを聴いた。
即座に私は、(天才の登場だ!)、と思った。
(女王様ルックがすごいね・・・・・)
そして、本来、ミュージシャンの本当の力量を知るにはライブに触れるべきだが、程なくして、『ラスト・ライブ・アット・DUG』が出た。
DUGは、私の青春の聖地である。DUGで意気投合したおネーチャンと激しいセックスしたり。あ、これでは性地か。ともかく私は、DUGの閉店を惜しみつつ、そのCDを聴いたら、いや~、ハンパなかったっす。マーヤさんのボーカルとピアノ・プレイ。
そして、全国のオーディオ店でグレース・マーヤのCDが販売され(SACDとのハイブリット盤、というのが大きかった)、グレース・マーヤ・ブームが生じた。
私は都合、4度、東京でのグレース・マーヤのライブに行こうとしたのだが、チケットがソールド・アウト。悔しかった・・・・・・。
その後、グレース・マーヤはソウルに接近した『ジャスト・ザ・トゥ・オブ・アス』、お約束のボサノバ『イパネマの娘』を出し、ファンを喜ばせていた。
ところが、マーヤ嬢、いろいろあったようで、2011年には東京でのチケットを取りやすくなっており、5月だったと思うが、お茶の水NARUで私は晴れてグレース・マーヤのライブに触れることができた。
ただ、私は驚いた。
あれほどスイング感たっぷりでギンギンなジャズをプレイしていたグレース・マーヤが、ブルースをプレイしていたからだ。
(゜゜)? (。。)? (゜゜)? (。。)?
だが、素晴らしいライブだった。グレース・マーヤのボーカルもピアノ・プレイも素晴らしかった。
そして、その年の9月か10月に、ブルースアレイ・ジャパンでのマーヤのライブに行った。ドラマーは村上ポンタ秀一。
や、この時もブルースのライブだったのだが、ラストのブルース(ゴスペル?)・バージョンの「イマジン」には、舌を巻いた。目を閉じると、黒人女性シンガーが歌い、ピアノを弾いているかのように思われたのだ。
(エリック・クラプトン、反省して、もっとギターを練習しろ)、と思ったほどにすごかったのだ。
そして、久々にアルバム『ポイシアンナ』が発売されたが、ブルース・アルバムだったのだ。
その後、2012年12月に隣の県の市と私が住む市で、グレース・マーヤのクリスマス・ライブが行われ、私は、その双方に行った。
双方でブルース・バージョンの「ハッピー・クリスマス」をプレイしてくれたが、白眉のできで、私は大感激。また、私はあろうことかFBで友達になっていてくれているマーヤさんに「サニー」をリクエストしていたのだが、私の市でプレイしてくれ、本当に嬉しかった。
グレース・マーヤは、本当に天才だ。その歌唱力もさることながら、ピアノ・プレイがすごい。彼女の手にかかるとありきたりのピアノが、マルタ・アルゲリッチ様ご愛用のスタインウェイの音に変わってしまう。音がキラキラと輝くのだ。
そして、私はマーヤさんと少々お話をしたのだが、ブルースに心惹かれてプロになったとのこと。なるほど、と納得した私。
マーヤさんは、2015年にもバレンタイン・ライブで我が街に来てくれ、2016年の春にも来てくれ、素晴らしいボーカルとピアノ・プレイを披露してくれた。後者では、インスト&ブルースの「さくら」~「マイ・フェイバリット・シングス」のピアノ・プレイが本当に素晴らしかった。揺るぎない真の天才のプレイだった。
ただ、私はマーヤさんに一言、申し上げたい。いや、二言か。
レコーディングにおいて歌に専念したいのは解るが、ファンはマーヤさんの神業のピアノ・プレイも期待しているのだから、ピアノもプレイしてほしい。
次に、お願いだからマーヤさん! また、ギンギンにスイングしたジャズもやって下さい!
・・・・・・・・・・( ̄人 ̄)・・・・・・・・・
(神様、仏様、マーヤ様)