マッキントッシュのアンプはオーディオの良心であった(2)

話を21世紀初頭にするが、この頃のマッキントッシュはどうしたのであろうか?

C40とMC500をロングランさせたのは良いとしても、傑作のC42、MC352、MC602は短命に終わった。

そして、C46、MC402、MC501へと変わるのであるが、この後は後述する。

 

そのC46、MC402、MC501への移行の端境期と記憶しているが、C22やMC275を手がけた名匠シドニー・コーダーマンが手がけた傑作・真空管プリ・アンプ、C2200の登場。

 

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このプリ・アンプは素晴らしかった。

12AX7(ECC83)をテレフンケンのダイヤに変えると、飛び上がるほどに音が良くなったものだ。

生命指数の高い躍動感のある音には、キレキレの音には惚れ惚れした。

 

また

 

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MC2102の登場。

写真はKT88をGECのゴールド・ライオンに変える前のものだが、KT88をライオンに変えたなら、もう鳴る、鳴る! 生命指数が高く、躍動感たっぷり!

このMC2102は名匠シドニー・コーダーマンが手がけ、1999年に限定発売されたMC2000のダウンサイズ版であるが、MC2000を導入するまで、私の4344の中高域をこのMC2102が支えてくれた。

 

しかし、マッキントッシュのアンプは本当に安い。

同等レベルのアンプを他社メーカーがつくったなら、とんでもない金額になるはずだ(輸入元のぼったくりもあるであろうが)。

 

C42は65万円、MC352は75万円、C2200は75万円、MC2102は85万円。安いし、何とリーズナブルなことか!

マッキントッシュのアンプは、オーディオの良心である!

 

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600Wの出力を誇るMC602も120万円なのだから、当然、安いし、リーズナブル!

 

私はTANNOYのオートグラフもJBLと併用していたことがあり、MC602をオートグラフで使用していた時がある。たまに、オートグラフを真空管アンプではなく、トランジスター・アンプで鳴らしたくなる時があった故。

 

それで、面白いエピソードがある。

後年、私はアキュフェーズのA60を借り出し

 

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オートグラフでMC602と直接対決させたのだ。プリはマーク・レヴィンソンのJC2。

すると、(あら? あら?・・・・・・)。

音を支配するのはスピーカーの次にプリ・アンプのはずなのだが、JC2の自己主張が弱いのか、パワー・アンプの方が勝っており、MC602とA60を試した私は眼を白黒。

プリをCRディベロップメンツのウッドハムに変えて両機の音を聴いた。

印象は、変わらなかった。

『何も足さず、何も引かない』のがアキュフェーズなはずだが、A60で鳴らしたら、豪華絢爛、ベルサイユのばらの世界! ベルサイユ宮殿をオスカルとマリー・アントワネットが歩いてきて、アンドレもフェルゼンも登場! ついでに黒い騎士(ベルナール・シャトレ)も。

対して、MC602は、音楽をありのままに描写した・・・・・・。何の誇張もなく。

 

これは何を意味しているのかと言うと、昨日の第一稿で書いた様に、A60の回路構造が複雑極まりなく(NFB、しこたま、のせいもある)、音を異常なまでに加工しているのだ。

 

私は天を仰ぎながら思った。

(アキュフェーズは、こんなにゴミか・・・・・・。アキュフェーズなど潰れちまえ・・・・・・)

 

まあ、そういうことです、そこのジイさん。

 

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そして、名匠シドニー・コーダーマンが手がけ、1999年に限定発売されたMC2000を中古で購入した私であるが(しかも2台)、KT88をGECのライオンに変えたら、もうとんでもなく素晴らしいの一言。

ビンテージ・アンプ(LNP-2[L]も含める)を除けば、パワー・アンプでは、このMC2000が最も好きなアンプであった。プリはC2200か、C1000T/C。

 

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全段真空管でつくられた本機は、NO32Lとは違って、音の生命指数が高く音楽が躍動的に鳴る素晴らしいプリ。

ただ、音楽が下衆なブルースを鳴らした場合、少々高尚な感じがしたから、C2200に軍配を上げたいと思う。

でも、このC1000T/C、これで252万円ですよ。安い! リーズナブル!

 

この様に私は、現代機を使い倒してきて

「ビンテージ・オーディオこそが本物だ!」

と言う結論を出し、今日に至るのである。

 

さて、話をマッキントッシュのアンプに戻す。

 

21世紀に入って急激に加速化した事象であるが、世界中のアンプ・メーカーの音が、同一方向へと向かいはじめ、20世紀中の様な、メーカー固有の音が薄らいできた。

マッキントッシュもまた然り、になってしまったのだ。

かろうじて、マッキントッシュの音を残してはいるものの、C42、MC352、MC602、MC1201までの様な

「俺は、マッキンだぜ!」

と言う音が薄らいでいる、揺らいでいる事実がある。

アキュフェーズの様なゴテゴテ加工音を出すくだらないメーカーは論外だが、マッキントッシュのアンプは、オーディオの良心であることから、ビンテージ・オーディオ愛好家でいる私としてもマッキントッシュのアンプの今後を憂えている。

 

 

 

(この稿、終わり)