今日は、LED ZEPPELINについての総論を書いてみたいと思います。
ZEPPファンをして、アコースティックを前面に押し出した『Ⅲ』以外、ZEPPを「ハード・ロック・バンド」として、極めて狭い枠組みでとらえている愚者が多いことが、筆者を腹立たせています。
ジミー・ペイジは、LED ZEPPELINは、「天国への階段」において、何故、自分たちは音楽をロックをプレイするのかを説明した後で、アルバム『Ⅳ』のB面での「ミスティ・マウンテン・ホップ」、「フォー・スティックス」、「レヴィー・ブレイクス」において、新たな音楽の創造に入っているのです。
その後、ジミー・ペイジは新たな音楽の創造について、ジョン・ボーナムが好んでいたファンク・ミュージックにその活路を見出しました。
そして、ボンゾのドラミングをぶっとく前に押しだし、大胆にファンクを取り入れたアルバムが『聖なる館』。
もともとLED ZEPELINとは、ブルース・ロックを展開した『Ⅰ』の段階からファンクの要素が入っていました。
ボンゾが大のファンク好きなことからボンゾのドラミングが跳ねていますし、それに触発されてかジョンジーのベースも跳ねていますし、ジミー・ペイジのギターも音のエッジが立っていました。
そうしたLED ZEPPELINが『聖なる館』において、「クランジ」でファンクを前面に押し出し、「ダンシング・デイズ」、レゲエの要素を取り入れたつもりが結果としてファンクになってしまった「ジャメイカ」もファンクですし、「永遠の詩」、「丘の向こうに」、「ジ・オーシャン」も極めてファンキー。
これが、大成功を収めました。
続く『フィジカル・グラフィティ』での新録曲では、ファンクとブルースの融合を試みて大成功させました。
「カスタード・パイ」、「死にかけて」、「トランプルド・アンダー・フット」、「ワントン・ソング」、「シック・アゲイン」がそれです。
また、この『フィジカル・グラフィティ』で、『Ⅲ』のアコースティックで展開したカッティング・ギター・リフを再度用いて出来上がった名曲が「カシミール」。
この『フィジカル・グラフィティ』における2つの要素が、LED ZEPPELINの最高傑作のみならず、ロック史における不滅の金字塔である『プレゼンス』の登場を約束したのです。
『プレゼンス』では、ファンクとブルースの融合を昇華し、カッティング・ギター・リフを活かしまくり、他の何ものでもない、「LED ZEPPELN」という音楽が展開されています。
“結果として”音がハードになっただけのことであり、上記のことから、LED ZEPPLNを「ハード・ロック」と狭い枠組みに収めることは誤りであり、「LED ZEPPELN」という1つの音楽ジャンル、と捉えることが正しいのです。
1つの音楽ジャンルを形成したミュージシャン、バンドは、LED ZEPPELN、マイルス・デイヴィス、ビートルズ、プリンスしか存在しないからこそ、LED ZEPPELNは今尚、世界中で現在進行形の音楽として聴かれつづけているのです。